国税庁や東京国税局などは、12月18日に「令和5年分相続税の申告事績」を公表しました。
相続税を納めた人や、相続税申告をした人の割合は、過去最高を更新しています。
相続税の課税割合と申告割合
国税庁や東京国税局が公表した
「令和5年分相続税の申告事績」によると
相続税の課税割合と申告割合は、過去最高を更新しています。
課税割合とは、
令和5年に亡くなった方のうち、相続税の納税が必要だった人の割合のこと。
全国平均は、9.9%と10人に1人ですが
東京国税局の平均は、15.4%と6.5人に1人にのぼります。
また、申告割合とは、
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった、軽減特例を使うため
相続税申告を行った結果、相続税の納税がゼロだった人の割合のことです。
全国平均は12.3%ですが、
東京国税局の平均は20.3%と、相続税申告が必要な人は、ついに5人に1人を超えました。
相続税の課税財産の傾向
申告された財産を種類別にみると
令和5年中の相続も「土地」の割合が減り、
現金預貯金や有価証券といった「金融資産」の割合が増え続けています。
これは、地価が下落傾向にある地方に限らず
地価の高い東京国税局のデータでも、同じ傾向がみられました。
リーマンショック後、約16年間にわたり
株価が上昇し続けている影響もあるでしょう。
都内在住の方は備えが必要
なお、東京国税局の管轄は
「東京都・千葉県・神奈川県・山梨県」と広範囲にわたるため
東京都で、相続税の申告が必要だった人の割合は
これより大幅に高いと思われます。
年間の死亡者数は、2042年までは増え続ける見込みですが
相続税の課税対象者は、これを上回るスピードで増え続けています。
基礎控除額が引き下げられた2015年以後は
課税割合も申告割合も、ほぼ右肩上がりですので
東京都在住の方は、それらを前提にした対応が必要です。